English
ご挨拶
日本口腔顔面痛学会は、九州歯科大学 鱒見進一会長のもとで本年10月に第15回学術集会を福岡市九州大学100年記念会館において開催することとなりました。本年はAsian Academy of Craniomandibular Disorder(AACMD) The 13th Scientific Meetingと共同開催です。近年アジアの諸国から米国へ口腔顔面痛を研修するために留学している方々が多くなっています。その方々が母国にもどり、口腔顔面痛患者を治療するとともに歯科医師の啓発にも努めています。
アジアの国々から参加される方々と話し合うことにより、診断治療に関する情報交換はもとより、各国で口腔顔面痛がどのような位置づけにあるか、どのような方策で啓発しているかなど、我が国での今後の口腔顔面痛啓発の参考になる貴重な情報が得られる事と思います。
この度の学術集会にあたり、AACMDと日本口腔顔面痛学会をうまく組み合わせて、有意義なプログラムを考案していただいた鱒見進一会長、準備委員長をお努めいただく椎葉先生はじめ、九州歯科大学の皆さんに心から感謝申し上げます。
日本口腔顔面痛学会は平成21年4月1日、それまでに13年、10年の歴史をもつJapanese Academy of Orofacial Painと口腔顔面痛学会が合併して設立されました。日本口腔顔面痛学会設立の目的は、日本における口腔顔面領域の痛みの研究・医療を発展させ、痛みで苦しんでいる患者さんを一時でも早く痛みから解放してあげることにあります。
この数年の間に非歯原性歯痛という用語がとともに口腔顔面痛が我が国の歯科の新たな専門分野として認識されたことは喜ばしいことであります。それに伴って、専門医療機関には口腔顔面領域に難治性の慢性疼痛を持った患者さんが紹介され、改善の方向が示されるようになってきていますが、全国の歯学部のすべてに口腔顔面痛専門医が在籍しているわけではありません。今後、口腔顔面痛患者を的確に診断し、早期に治療するためにも、日本口腔顔面痛学会会員を増やすとともに、我が国における口腔顔面痛の基礎的、臨床的レベルを高めることに学会として努力していかなければならないと考えています。
和 嶋 浩 一
日本口腔顔面痛学会理事長